巡礼19日目 イテロ デル カスティージョからポプラシオン デ カンポス

 走行距離18.5km

全行程356.8km

19.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時期のスペインの日の出は8時過ぎ

歩き始めてしばらくたってから夜が明ける。

建物もなく、山もないので日の出近くの影は長い。

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今日の道はカスティージョ運河沿いに行く快適な道だ。

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 運河のおかげで緑が多い。

緑が多いというだけで癒される。

荒涼とした平原とは天と地の違いがある。

並木は影を作ってくれるので、ほんのひと時だが身体が休まる。

それが気持ちをも和らげてくれる。

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そんな運河沿いの道を僕たちはゆっくりと歩んだ。

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ゆっくり歩くと、ゆっくり歩く人と共鳴するものだ。

次の街でちょっと様子の違うレストランを見つけた

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 まるで当然であるかのように、僕たちはこのゲートを潜った。

いい感じ。

巡礼者むけのレストラン。

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このレストランでのんびりとしてる一人の叔父さんが話しかけてきた。

彼はイタリア人でロベルトという。

今回でカミーノが14回目の強者だ。

 

回数を重ねているだけあるのか、余裕が感じられる。

急いで行くだけがカミーノじゃないぜ的な風格。

彼は一眼レフのカメラを持って美しい風景を撮るのが好きらしい。

もう一人もイタリア人でロベルトの友人だ。

 

友人も一緒に話しかけてきたが、あまり英語がうまくない。

まず、おじさんの事を「She」と言っている。

ロベルトがそれを聞いてクスクス笑いながら

「お前、いま俺のことをSheと言ったぞ、俺は女じゃないよ」

友人は首を横にふりながら

「いやいや そんな事言うわけないじゃん」

ロベルトは

「いやお前はSheって言った Sheって言った」

友人が「だから言ってないって」

そのやりと見ていて面白くて1枚加わってやろうと思った

「うん彼はSheって言ったよ」

喜ぶロベルト、がっくりうなだれる友人。

 

子供か!! このおっさん達は!!

いいなイタリア人。 底抜けに明るい。

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(右から2番目がロベルト)

すっかりご機嫌なロベルトが質問をしてきた

「今日君たちは何処までいくんだい」

「フロミスタだよ。あなたは?」

「俺たちはフロミスタの次の町 ポブラシオン デ カンポスだよ」

「どうしてフロミスタじゃないの?」

この辺りで1泊となるとフロミスタにするのが常套なのだ。

ロベルトは意味ありげな顔をしてこう言った

「その町には飛び切り美味いアホスープがあるんだぜ」

 

おおおっつ

アホスープ!!

 

アホスープとは

にんにくスープのことだ。

 

「あとパエリアも美味いぞ!!」

 

それを聞いて僕たち3人は声をそろえて言った

「僕らもそこに行く!!!」

 

しかしロベルトは慎重そうな面持ちで

「俺がそう思うだけだよ」

 

いやそれがいいのだ。

カミーノ歴14回の強者がお勧めの食事、

それがイタリア人であれば間違いはないに違いない。

快楽を追い求めているイタリア人だ。

美味しい食事と美味いワインと美味いコーヒーと美人を追い求めるのがイタリア男の常だ。

これに乗らない手はない。

 

「シンクロには素早く乗っかる」を信条にしている僕としては

絶好の機会到来である。

 

ロベルトは手際よく僕たちのアルベルゲとレストランの予約もしてくれた。

「じゃあ ポブラシオン デ カンポスで」

と言って二人はレスランを出て行った。

 

僕たち三人の足取りは自然と軽くなった。

一つ先の町まで行くことになったが

そこではアホスープが待っている。

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鉄板から抜け出てきた巡礼者も楽しげだ。

かくして僕たちはポブラシオン デ カンポスに到着した。

小さい町だ。

アルベルゲの受付はホステルのフロント。

フロントのおばさんが「あなたたちのことは聞いてるわ」と言ってくれた。

ありがとうロベルト。

アルベルゲでの指示を受け夜7時からここのレストランで夕食とのこと。

レストランでは12名の大きいテーブル席が用意されていた。

巡礼者たちの席だ。

思い思いに座る。

食事の前に女主人がでてきてみんなに自己紹介をさせた。

 

女主人はまずロベルトに貴方からよと言って

しばしロベルトと軽口をたたきあった。

 

やはり彼は常連なんだろう。

それだけに食事の期待感が膨らんだ。

 

自己紹介といっても名前と出身国を言うだけの簡単ものだ。

イタリア、スペイン、スコットランド、フランス、アメリカ、日本

だけど、それだけでぐっと親近感が増す。

 

まず、アホスープ

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ど~んと来た。 アホスープ これで4~5人分。

お皿に取り分けてもまだかなり残っている

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美味い!!!!

そんなににんにくが効いてるわけではないが美味しい。

ほぐしたパンが入って、これがまた味がしみ込んでいて美味しい。

しばらくして

入り口に近い席から歓声が

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来たぞパエリア!!!!

でかいぞパエリア!!!

美味しそうだぞパエリア!!!

みんが席を立って写真を撮りに行った。

そうさせるくらいの迫力があった。

女主人が取り分けてくれる

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うひょう~ みんなが口々に叫んだ。

おかわりは自由よ、どんどん食べてみたいなことを言ってる。

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彼女が女主人。パエリアの大きさをわかってもらえるでしょうか。

 

ありがとうロベルト!!