知り合いのTさんに誘われて

銀座で開催されている 「マークエステル展」 に行ってきました。

IMG_2430
そのTさんは、しばしば電話をしてきて 様々な人を紹介してくれます。


僕はいつもどこかに行っている事が多いので

突然 言われても 予定を調整することが厳しいのです。

しかし、なぜかTさんから誘われた時は、すっぽりとスケジュールが空いていることが多いのです。

今回もそれに類するものでした。


Tさんのアポイントの内容はこういうものでした。

「Tさんが東京に出てきて、知り合いの画家 マーク エステルさんの個展に行くのでご一緒しませんか?

そこに高野 誠鮮 さんもいっらしゃいます。」というものでした。

高野誠鮮さんはローマ法王にお米を献上した石川県羽咋市のスーパー公務員として有名な方です。

先日 石川県のコスモアイル羽咋に行ったときに、高野さんにお話を伺ったのですが

ご挨拶する機会を逸していました。

マークエステルさんの絵も好きだったので、”二人の会いたい人”に会える機会を

Tさんは作ってくれたのです。


しかし 朝 Tさんから電話があって

「高野さんは官邸でのアポイントがあって来れないみたいです。
ごめんなさいね、それでもいらっしゃいますか?」と。

僕はマークエステルさんにお会いできるだけでも十分なので、もちろん伺うことにしました。


さて

マークエステルさん(マークエステルさんの公式ページ)とは

パリに生まれ 外交官として働いていましたが、大阪万博に訪れた際

清水寺で和紙に描かれた水墨画の「滲み」に魅せられて

外交官をやめて芸術の道にはいり、キャンバスに油絵で滲みを描き出そうと決意します。

世界中で活躍をするなかで、日本の神々の絵を描き各地の神社に絵を奉納していきます。

この絵は高千穂神社に奉納したものです

高千穂

そしてこの絵は明治神宮
明治

この絵は出羽三山

出羽

もう魅せられてしまいます。

画廊に展示されている絵を眺めていて

ある一つの絵に見とれてしまいました

ookuni
この絵は大国主と白兎の出会いのシーンです。

後ろの空の色が印象的で、しかもそこに神々が潜んでいるのです。



しばらくこの絵の時を忘れて前で佇んでいました。



マークさんは古事記のシーンをいくつも絵にしていています。


そしてこの画集に目が釘付けになりました
visual01

ページを捲るごとに繰り広げられる神話の絵に引き込まれて

この画集を買わなければならない という心境になってきます。

結構な金額だったのですが、思わず「この画集ください」と言っちゃいました。


すると


マークさんがサインがわりの絵を描いてくださるとのこと。

おずおずとマークさんの前に座りました。

IMG_2431

「いつもはアマテラスを描くけど どうしますか?」

と聞かれ

迷うことなく

「大国主命をお願いします」 と答えました。


マークさんが えっつ? と思うような大胆な筆使いで描いていきます。

IMG_2434










IMG_2435










「こんなに丁寧に描くの?」 というくらいの時間をかけて描いていきます。


どうやら

いつもは もっと簡単に描くそうです。


偶然、アトリエ内には人が少なく、ほかに画集などを買い求めている方はいません。


そして


普段は描かない ”大国主命” だったこともあるようです。


マークさんは絵を描くことに没頭してしまったようなのです。


たぶん


1時間以上かけて描いていただきました。


IMG_2439










サイン代わりの絵とは全く違います。

完全なひとつの作品です。


一緒に記念写真を撮ってから
IMG_2436

「これ今日持って帰ってもいいですか」とマークさん

「???」

「今日 家に持ち帰って ちゃんと写真に撮り記録に残します」とのこと。

「あなたの名前も書きましょう」と言ってくださったのですが

この絵に僕の名前を書くのはちょっと違うと思ったので

「僕の名前はいいですと」と言ったところ

「じゃあ次のページに書きましょう」と言って

IMG_2438










と書いてくださいました。

ちなみにマークさんは漢字も書けます

そして、落款のような赤いハンコはマークさんの拇印。

しかも

「マークさん その指でいいんですか」 と言われながら押した拇印。


押してから

「あ~っ」というマークさん

なんと指に絆創膏を巻いていたのです(笑)


そして

拇印の横の一文の意味を尋ねたところ


「この前のページの絵はマークエステルが書いたものです」

という裏書みたいな一文だそうです。


まだ僕の手元に画集はありませんが、凄くうれしいプレゼントを頂きました。


よくよく思い返すと

高野さんとのアポが無くなったから、この時間が頂けたのだと思います。


高野さんありがとうございます。


今度 どこかでお会いできることをお祈りしています。


マークさん Tさん そしてこの個展を主催者 濱崎さん

ありがとうございました