大村ブログ

21日目 カリオン デ ロス コンデスからモラティノス

走行距離 29.5km

全行程 401.8km

21.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは天使だ ならぬ 僕たちは天使だ!?

懐かしいテレビドラマを思い出した。

麻生探偵事務所ではなく、

こちらは ずれずれ巡礼事務所。

しかし

時々、僕たちは天使にもなる。

 

メセタの一本道

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遠く前を一人の大柄な性が歩いていた

 

その背中を見ながら 僕たち三人は他愛もない話をしながら歩いていた。

 

月水さんが

「あの人 こっちに向いて歩いてない?」

そんな訳はない。

一向に男の人は近づいてこないので目の錯覚だ。

 

男の人の歩き方がぎこちない。

なんだかフラフラしている。

 

どんどん僕たちが男性に追いついていく。

 

あっ!!

 

僕ら3人は瞬間的に駆け寄って男性を支えた。

 

意識が朦朧としている。

 

手が冷たい。

 

目が虚ろだ

 

バックパックに手をかけて、重さを軽減させながら

 

ゆっくりと座るように促した。

 

すると後ろからスペイン人のグループが近づいてきた。

 

スペイン語で男性に問いかける。

 

低血糖かもといって、オレンジジュースとキャンディーを取り出した。

 

男性がオレンジジュースを飲み、

 

顔に赤みがさしてきた。

 

よかった。

 

グループの一人が電話をしている。

 

救急車を呼んでるのか?と尋ねると

サポートカーに連絡をしたとのこと。

 

なんと彼らはサポートカーをつけながら巡礼をしていたのだ。

 

5分もしないうちに彼らの車がやってきた。

 

男性は車に乗り込む前に僕たち三人に握手をしてきた。

 

手に温かみがあった。

 

大丈夫だ。

 

なんか前を行く男性が気になるなあと話しながら歩いていた僕たち。

月水さんが「こっちに歩いてくるよ」と言ったのは

もしかしたら、彼のスピリットが助けを求めていたのかもしれない。

 

ずれずれ巡礼団も

いつも

ずれずれ ではないのだ

 

時々

 

天使にもなるんです。

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20日目 ポプラシオン デ カンポスからカリオン デ ロス コンデス

走行距離 15.5km

全行程 372.3km

20.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すっかり、ゆっくりする癖がついた僕たち。

日が昇ってからの8時過ぎに出発。

アルベルゲを出るとロベルトがホステルのほうから戻ってくる。

「どうしたの」と聞くと

どうやら友人が胃痛だとのこと。

 

食べすぎか?

 

彼らはもうちょっと様子を見てから出発するとのこと。

 

大丈夫か友人。

 

ロベルタにまたどこかで会おうと言い合って出発。

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通りかかりのアルベルゲでネイティブアメリカンのティピを見かけた。

ここにもネイティブ好きな人がいるんだと共感。

メセタを行く

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 何もない。

収穫のあとなのだろうが、何もない。

これだけ何もないと清々しい。

だけど、ここを歩くのは辛い。

川沿いに緑が出てきて、おじさんが犬の散歩をしている。

ずっとつかずはなれずで2匹の犬とおじさんと歩く。

するとおじさんが路肩に行き草を引っこ抜き始めた。

 

立ち止まって見ていると、

おじさんが根っこを差し出し来た。

噛んでみろ と仕草をする。

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苦甘い。

意外に美味しい。

おじさんは「これは胃に良いんだ」と身振り手振り。

一本づつ分け与えてくれた。

あ~ロベルトの友達 ここに良薬があるぞ!!

 

しばらくくいくと小さな町の教会。

なんとなく魅かれて入ると

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美しい。

静かないい教会だった。

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 カミーノには巡礼者の彫刻が時折ある。

有名人かもしれないが・・・わからない。

カリオン デ ロス コンデスに到着した。

ここでも巡礼者像が出迎えてくれる

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カリオンでは2軒のアルベルゲが満室。

2軒目のアルベルゲで夜に音楽会があるから来ないかと誘われる。

月水さんの琵琶演奏もしてほしいとのこと。

空いてるかもしれないアルベルゲも教えてもらい、

無事3件目でチェックイン。

 

音楽会が行われるセントマリア修道会が運営すアルベルゲに行ってみる。

修道女と馴染みの巡礼者が中心になり音楽会が始まった。

ロビーに椅子が並べられ、階段も客席に早変わり。

総勢30人を超える観客に膨れ上がった。

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馴染みの巡礼者のギターでみんなが合唱。

いろんな国の歌をみんあが唄う。

次に修道女がギターを弾いて弾き語り。

(上の写真の太鼓をたたいてる方)

彼女が上手くて聞きほれちゃいました。

讃美歌は粛々とするだけのものではなく、

楽しく、聞かせる讃美歌もあるんだと感慨深いものがありました。

ゴスペルとはまた違う楽しさ。

次に月水さん

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月水さんが弾き始めると、正面に座りなおす修道女の方々

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 みんな聞き惚れてました。

凄いぞ月水さん

凄いぞ琵琶

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 月水さんのこの時の演奏はこちらからお聞きください

 

 

 

 

 

 

 

 巡礼19日目 イテロ デル カスティージョからポプラシオン デ カンポス

 走行距離18.5km

全行程356.8km

19.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時期のスペインの日の出は8時過ぎ

歩き始めてしばらくたってから夜が明ける。

建物もなく、山もないので日の出近くの影は長い。

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今日の道はカスティージョ運河沿いに行く快適な道だ。

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 運河のおかげで緑が多い。

緑が多いというだけで癒される。

荒涼とした平原とは天と地の違いがある。

並木は影を作ってくれるので、ほんのひと時だが身体が休まる。

それが気持ちをも和らげてくれる。

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そんな運河沿いの道を僕たちはゆっくりと歩んだ。

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ゆっくり歩くと、ゆっくり歩く人と共鳴するものだ。

次の街でちょっと様子の違うレストランを見つけた

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 まるで当然であるかのように、僕たちはこのゲートを潜った。

いい感じ。

巡礼者むけのレストラン。

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このレストランでのんびりとしてる一人の叔父さんが話しかけてきた。

彼はイタリア人でロベルトという。

今回でカミーノが14回目の強者だ。

 

回数を重ねているだけあるのか、余裕が感じられる。

急いで行くだけがカミーノじゃないぜ的な風格。

彼は一眼レフのカメラを持って美しい風景を撮るのが好きらしい。

もう一人もイタリア人でロベルトの友人だ。

 

友人も一緒に話しかけてきたが、あまり英語がうまくない。

まず、おじさんの事を「She」と言っている。

ロベルトがそれを聞いてクスクス笑いながら

「お前、いま俺のことをSheと言ったぞ、俺は女じゃないよ」

友人は首を横にふりながら

「いやいや そんな事言うわけないじゃん」

ロベルトは

「いやお前はSheって言った Sheって言った」

友人が「だから言ってないって」

そのやりと見ていて面白くて1枚加わってやろうと思った

「うん彼はSheって言ったよ」

喜ぶロベルト、がっくりうなだれる友人。

 

子供か!! このおっさん達は!!

いいなイタリア人。 底抜けに明るい。

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(右から2番目がロベルト)

すっかりご機嫌なロベルトが質問をしてきた

「今日君たちは何処までいくんだい」

「フロミスタだよ。あなたは?」

「俺たちはフロミスタの次の町 ポブラシオン デ カンポスだよ」

「どうしてフロミスタじゃないの?」

この辺りで1泊となるとフロミスタにするのが常套なのだ。

ロベルトは意味ありげな顔をしてこう言った

「その町には飛び切り美味いアホスープがあるんだぜ」

 

おおおっつ

アホスープ!!

 

アホスープとは

にんにくスープのことだ。

 

「あとパエリアも美味いぞ!!」

 

それを聞いて僕たち3人は声をそろえて言った

「僕らもそこに行く!!!」

 

しかしロベルトは慎重そうな面持ちで

「俺がそう思うだけだよ」

 

いやそれがいいのだ。

カミーノ歴14回の強者がお勧めの食事、

それがイタリア人であれば間違いはないに違いない。

快楽を追い求めているイタリア人だ。

美味しい食事と美味いワインと美味いコーヒーと美人を追い求めるのがイタリア男の常だ。

これに乗らない手はない。

 

「シンクロには素早く乗っかる」を信条にしている僕としては

絶好の機会到来である。

 

ロベルトは手際よく僕たちのアルベルゲとレストランの予約もしてくれた。

「じゃあ ポブラシオン デ カンポスで」

と言って二人はレスランを出て行った。

 

僕たち三人の足取りは自然と軽くなった。

一つ先の町まで行くことになったが

そこではアホスープが待っている。

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鉄板から抜け出てきた巡礼者も楽しげだ。

かくして僕たちはポブラシオン デ カンポスに到着した。

小さい町だ。

アルベルゲの受付はホステルのフロント。

フロントのおばさんが「あなたたちのことは聞いてるわ」と言ってくれた。

ありがとうロベルト。

アルベルゲでの指示を受け夜7時からここのレストランで夕食とのこと。

レストランでは12名の大きいテーブル席が用意されていた。

巡礼者たちの席だ。

思い思いに座る。

食事の前に女主人がでてきてみんなに自己紹介をさせた。

 

女主人はまずロベルトに貴方からよと言って

しばしロベルトと軽口をたたきあった。

 

やはり彼は常連なんだろう。

それだけに食事の期待感が膨らんだ。

 

自己紹介といっても名前と出身国を言うだけの簡単ものだ。

イタリア、スペイン、スコットランド、フランス、アメリカ、日本

だけど、それだけでぐっと親近感が増す。

 

まず、アホスープ

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ど~んと来た。 アホスープ これで4~5人分。

お皿に取り分けてもまだかなり残っている

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美味い!!!!

そんなににんにくが効いてるわけではないが美味しい。

ほぐしたパンが入って、これがまた味がしみ込んでいて美味しい。

しばらくして

入り口に近い席から歓声が

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来たぞパエリア!!!!

でかいぞパエリア!!!

美味しそうだぞパエリア!!!

みんが席を立って写真を撮りに行った。

そうさせるくらいの迫力があった。

女主人が取り分けてくれる

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うひょう~ みんなが口々に叫んだ。

おかわりは自由よ、どんどん食べてみたいなことを言ってる。

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彼女が女主人。パエリアの大きさをわかってもらえるでしょうか。

 

ありがとうロベルト!!

 

 

 

 

 

 

 

 

巡礼 18日目

オルミージョスデルカミーノからイテロ デル カスティージョへ

走行距離32.8キロ

全行程距離 338.3キロ

18.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨日のレストランのコンサートの成功もさめないまま。

朝 アルゲルゲを早めに出発。

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だけど

グリーンツリーが明いていたので、挨拶にと入ったところ

エマと話し込んで、すっかり出発が遅くなってしまった。

しかし

このエマとの話で遅くなったことが

パラレルワールド

を生み出すことになるとは誰も知らないことだった。

 

オルミージョスデルカミーノを出て見通しの良い道を行く

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飽きてしまいそうな風景にこんなものが見えてくると

なぜか元気になります。

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昨日泊まるはずだったオンタナス。

昔の巡礼者はこんな感じだったのでしょうか。

さらに麦畑しかないメセタの大地を進みます。

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すると

サンアントン修道院跡が姿を現す。

この何もないメセタで、この修道院に救われた巡礼者が多かったのではないだろうか。

それほど僕たちは乾いていたし、修道院は壊れてはいるものの威厳に満ちていた。

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この修道院跡地のアーチがパラレルワールドの入り口だったのだろうか

 

しばらく行くと

 

ふっと後ろから現れた自転車に乗る人。

 

そして僕たちを追い抜きざまに

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

と言ったのだ。

 

あまりにも唐突で僕たちはそろって理解不能だった

 

すると

 

再度

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

自転車に乗った男の人はスピードを緩めることも

振り返ることもなくあっという間に小さくなっていく。

 

そして また

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

ようやく3回目で僕たちは明瞭に理解できた

おじさんは

「南無大師遍照金剛」と言っていたのだ。

僕たちは今日はバックパックのデリバリーサービスを頼んでいたので

大きな荷物を背負っていなかった。

3人は四国お遍路の白い行着を着ていた。

ちょうど たまごちゃんは背中に小さなデイパックもなかったので

背中には「南無大師遍照金剛」と書いている。

 

そして、おじさんはといえば

 

摩訶不思議な恰好をしていたのだ。

 

まるで、おとぎの国から出てきたかのような恰好

おじさん生写真小

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車の右に見えるのがそのおじさんだ。

もう少し大きくしてみると

おじさん1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじさん2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中世の恰好をしたかのようなおじさん。

そして、言った言葉が

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

僕たち3人の驚きを理解してもらえるだろうか?

 

すぐ近くの街の人達はみんなあんな恰好をしているのか?

はたまたフェスティバルか何かがあるのか?

 

次の街でいろいろと見て回ったが

あのおじさんは見つからなかったし

似たような恰好をしている人は一人もいなかった。

 

彼は誰なのか?

 

なぜ「南無大師遍照金剛」を知ってるのか?

 

謎が謎を生む

 

こんな片田舎で

 

もし、日本に来たことがあるのなら、立ち止まって話しかけてきてもよいではないか?

 

韓国人は多くカミーノを歩いているが、日本人は珍しい。

しかも

僕たちは「南無大師遍照金剛」の行着を着ているのにだ。

 

彼はどこから来たのだろう?

 

僕たちはどこを歩いているのだろう?

 

あのゲートをくぐったとき異次元に迷い込んだのか?

 

昨日のシンクロが続き、今朝エマの店に行ったことでこの出会いが決定したのか?

 

空海は今も生きているといわれている。

ならば偏在してもいいではないか、このスペインの地にも。

 

同行二人

 

これを纏う意味が少し分かったような気がする。

 

 *この旅に出る前にHITOEさんの施術を受けてきた。

神門を開くというものもその中にある。

そすればシンクロが起きやすくなるということであった。

まさにシンクロ祭りである。

参照 ボディケア 骨盤調整 シンクロ体質

 

 

 

シンクロが起きる沸点というものがある。

 

それは小さな積み重ねを積み上げた結果

コップから水が流れ出すようなものだ。

 

その時が来た。

 

月水さんはカミーノを歩き始めてから各地で琵琶演奏を行ってきた。

 

亡き日本人巡礼者シンゴ ヤマモトさんの慰霊碑の前での演奏から始まり

 

カフェ、アルベルゲ、食堂、教会、丘の上、礼拝堂・・・

 

観客なしのときもあれば、数人、時には数十人のときもあった。

 

言葉がわからない中での演奏、

琵琶演奏はストーリーテリングだ。

 

歴史の物語を琵琶演奏にのせて唄う。

 

言葉の意味が分からなければ面白みは半減する。

 

しかし

 

カミーノを歩く人たちは熱心に耳を傾け

 

月水さんが奏でる琵琶の音と唄声の中に在る魂に触れようとしてくれた。

 

少なくとも僕にはそのように思えた。

 

その小さな一滴が一回り大きな雫になった。

 

ブルゴスから約20キロ

オルミージョスデルカミーノの街に入ったときにそれが起きた。

本当は、この10キロ先のホンタナスの街まで行く予定だった。

 

この先のスケジュールを考えると今日は無理をして30キロ歩いて

少しでも前に進んでおきたかったのだ。

 

しかし

 

街に入って、向こうから赤い車が走ってくると私たちの横でブレーキをかけ

女性が窓を開けてはなしかけてきた

「今夜 うちでコンサートやらない?」

 

それはあまりにも唐突な申し出だった。

 

月水さんが演奏家であることなど話す前に

彼女から切り出した言葉だった。

 

「私はレストランをやってるの、この町の一番端のレストラン グリーンツリーよ」

私たちは戸惑い気味に

「今日はホンタナスまで行く予定なんです。だけどランチをあなたのお店で食べますよ」

と答えた。

彼女の車は町を離れ、私たちはレストランへ向かった。

 

街の一番外れにそのレストランはあった。

巡礼者が街に入り、一番最後に目にするのが彼女のレストラン。

いつも思うのだが、街の入り口にあるカフェやレストランは賑わっていて

奥に行くにしたがって、閑古鳥が鳴いている。

街の出口に近いのに賑わっている店にはそれなりの理由があるようだ。

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彼女の店もその理由がある店だった。

私たちが訪れた時間はランチの時間とも少しずれていたからか

あまりお客さんはいなかった。

しかし、

店内のレイアウトや内装がスペインらしくない。

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とりわけほかの店との違いはメニューにあった。

 

一般的なスペインのカフェやレストランとは明らかに違う。

 

まず目をひいたのがカレーWITHライス。

 

そしてハンバーガー、ハチミツのサラダなどなど。

 

出てきたカレーはタイ風のグリーンカレー。

ほどよく蜂蜜とビネガーとオリーブオイルがまざった絶妙な味のドレッシング。

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美味しい

 

美味しいのだ。

 

しかもスペインらしくない感覚。

インターナショナルな感覚とでもいうのか。

スペイン人でもない僕がいうのもヘンな話だが

ドメスティクな感覚じゃないのだ。

 

この味覚が今夜のコンサートの成功を予感させた。

レストランを出てアルベルゲに入り、シャワーを浴びて洗濯。

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横のチャペルを参拝して再びレストランに向かった。

 

レストランは満席。

お客さんは100%巡礼者。

どうやらこの町で洗練されたレストランはここだけなので

この町に泊まる鼻の利く巡礼者はここにやってくるのだ。

 

巡礼者の年齢層は幅広い。

10代から70代までいる。もしかしたら80代もいるかもしれない。

自炊をして倹約した旅をしている人もいれば

レストランで食べる人もいる。

アルベルゲに泊まらずテントを持ち歩いている人もいれば

ホスタルに泊まる人もいる。

様々なのだ。

 

そして総じて知的レベルが高い。

 

話した人たちは弁護士だったり大手IT企業のエンジニアだったり、教師だったりだ。

 

このレストランに来ている人たちも多くは40代以上の落ち着いた雰囲気。

 

レストラン グリーンツリーのオーナー エマが

「今日は日本から来てるビワの演奏家 ゲッスイ

とスパニッシュギターの演奏があります

まずはゲッスイ!!」と紹介すると

 

お客さんは一斉におしゃべりをやめてステージに注目した。

 

月水さんがインストルメンタルで琵琶を弾き始める。

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椅子をステージのほうに向けなおして聞き入る観客。

 

琵琶の音が染みわたっていく。

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次に「壇ノ浦の合戦」

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月水さんの歌声はパワフルだ。

石造りのレストランは反響して、その波紋も増幅させる。

 

大喝采。

 

 大成功だ。

 

次の女性のスパニッシュギターの弾き語りの方も素晴らしかった。

 

エマが車越しに「今夜コンサートをやらない?」

と誘ってきた直観。

それに予定を無視して乗った私たち。

 

スケジュールされた旅から逸脱するところに、この旅の面白さがある。

 

そして、それがシンクロニシティーを加速させる。

 

スパニッシュギターの方は隣町の住人らしい。

彼女はときどき、この店で引き語りをするという。

 

演奏会が時折あるレストラン。

それだけで魅力的で人気の店になるに違いない。

 

翌朝、コーヒーを飲みに立ち寄って話すと

エマはスコットランドの出身だった。

 

彼女もカミーノを歩いたそうだ。

 

そして、夢の中に色んな国々の人々、多くの動物が彼女の前を通り過ぎる

夢を見たという。

 

その後、パートナーと知り合い、この村でレストランをすることになったそうだ。

 

そして、いま彼女の目の前を多くの人達が通り過ぎていく。

 

「夢の通りなの」

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彼女は満足そうに笑いかけてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はブルゴスで終日滞在。

久しぶりの何も移動しない日。

 

昨夜はブルゴスの公営アルベルゲに宿泊。

このアルベルゲが大きく、建物の外側は古いのですが

中に入るとモダンで綺麗なつくり。

なんと150名も収容できる巨大アルベルゲ。

 

アルベルゲは8時には出ないとだめなので、

カフェに行き、ブルゴス大聖堂の開門をまって大聖堂へ。

公営アルベルゲは大聖堂のすぐ裏なのですごく便利。

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大聖堂では入場料が一般客料金のほかに巡礼者料金がありほぼ半額。

巡礼者は優遇されるのです。

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大聖堂の前のはこんな巡礼者の像もあります。

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お決まりのようなこんな写真をとり大聖堂の中へ。

 

大聖堂の受付横には荷物をあずけることができるスペースと

コインロッカーがあります。

なんと私たちは大聖堂を出て観光をして次のホテルをみつけるまでの

訳半日間も荷物を預かってもらいました。

 

ともかく

大聖堂は圧巻の一言。

外見の存在感からして圧倒されるのですが、

中に入るとひとつひとつの間が宗教画や像で埋め尽くされています。

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天井を見ればため息が出るほど美しい。

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このステンドグラスの窓の外には中庭を挟んで大聖堂の裏側が

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大聖堂のあとはチュチュートレインに乗ってブルゴスを一周。

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 城跡のある丘からブルゴス市内を一望できます。

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ブルゴス もう一度訪れたい街になりました。

 

 

 

 

巡礼15日目 アヘスからブルゴスへ

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まだ月が出ているアルベルゲを出て10歩くらい行ったところで、

途上に置かれたパンを発見

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なんだ? と思い建物の左をみると

どうやらカフェの雰囲気

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山小屋風のよさげな感じ。

中に入ると、すでにお店は人でいっぱい。

並んでカフェコンレチェとパンをオーダー

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気のよさそうな おじさん と おなさんがやってるカフェ。

おじさんはコーヒーの担当。

おばさんはオーダーを受けてから

生ハムやチーズをスライスしてサンドウイッチを作ってくれます。

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美味しいという言葉で足りないくらい。美味しく雰囲気も抜群。

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すっかり店内の人がいなくなるまで、長居をしちゃいました。

 

結果的に、アルベルゲを10歩はなれたカフェに1時間以上いたので

アヘスを出たのは9時近く。

僕たちが泊まれなかったオルテガの泊まった人たちも、

すでに僕たちを追い抜かかして先に進んでいます。

 

またいつもの如く出遅れ感。

 

アヘスからブルゴスへは可愛い村々を通る楽しい道が続きます。

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丘の上には十字架があり、そこで月水さんも演奏

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丘を降りていくとまた村があり

こんな家もあります

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もうカミーノが当たり前なんですね。

ここを行くとまもなくブルゴス空港の近くにやってきます。

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しかし

僕たちを待ち受けているたものは

ここからの試練でした。

 

大都市郊外にある工場や展示場などの誘致地区

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しかも閉鎖されている会社も多く

人気がありません。

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大都市の郊外によくあるバイパスをとおります

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遠い

 

ブルゴスが遠いのです。

 

無味乾燥でコンクリートの道をひたすら歩きます。

 

コンクリートがどれほど固いか。

 

土や自然の山道を歩いていると、それがよくわかります。

 

工場地帯のコンクリートの道が修行のように辛い。

 

そしてようやく人の住む気配が見えてきます。

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マンションに大きなホタテ貝が!!!!

ずっと矢印もホタテ貝もなかったので

なんだかすごくうれしくなりました。

しかし

ここからでもさらにブルゴスの中心部まではまだあります。

やっと旧市街地の中心部へはいる門が見えてきました

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やっと落ち着くかんじ

到着!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巡礼14日目 ビロリアデリオハからアフェス

気さくなアルベルゲを出発して牧草地を進む

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ビジャマヨールデルリオを過ぎて一路ベルロラドへ。

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べラルドにはいると巨石が。

お~っと思っているとその先に

ささくれみたいな塔が

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近寄ってみると塔の上に鳥の巣が

 

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小さいが美しい教会だった。

 

ベルラドの中心入ると地図があり、それを見ると鍾乳洞らしきものがある。

四国お遍路の穴禅譲といい、洞窟は好きなので行かない手はない。

地図を見ると街のはずれのようなので、歩いて行ってみる。

ところがそれらしい気配はなく、道行く人に聞いてもさっぱり埒が明かない。

もう一度街の中心のプラザに戻って地図を見直してみると

どうやら街の端に書かれているが、この街の中に在るわけではなさそうである。

ここまできて引き下がるのも癪なので、その地図を写真にとりタクシーで行くことにする。

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(地図に載っていた写真)

さっきカフェを飲んだお店がタクシーの呼び出しサービスを行っていて、女主人に呼び出してもらった。

ほどなくしてやってきたのは新車のようなシトロエンのバンタイプのタクシーで

なかなかの好青年がドライバーだった。

写真を見せるとすぐに分かったと答えて、値段は9ユーロだと言ってくれることに。

車で10分ほど走ったところで山道に入り未舗装道を登っていく。

つきあたりで車をとめて「ここだよ」という身振り。

30分くらいで戻るから待っていてもらい、

僕たちはドライバーが示す方向へ歩いて行った。

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山道を行くがそれらしいものはない。

振り返るとドライバーがもっと向へ進めと言わんばかりに手を振っている。

その方角に歩いていくと、ロッククライミングのような場所に出て、

さすがにここではないとさらに行くと民家の裏庭に出た。

まさか民家の裏庭に鍾乳洞があるわけないので、元の場所に戻ることに。

行きに柵が閉まっていたので、何気なく通り過ぎた穴に近づいてみると

トロッコの線路が敷かれていて、電気が灯っている。待合椅子みたいなものも

あるので、ここからトロッコに乗って鍾乳洞に入っていくに違いない。

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おそらく土日や休日に営業をしているのだろう。

結果的に鍾乳洞に行けなかった僕たちはタクシーにオカまで行ってもらい、

オカからオルテガまでを再び歩くことにした。

 

オカからは結構きつい登りが続く

 登り切ってからは森を切り開いたかのような道が延々と続く。

そのなかでこの看板

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まさしくオアシス!!

ここで小休憩をしてなおも進みます。

途中で牛が沢山いる丘を抜けると下り坂

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まもなくオルテガの村に到着です。

 

この村はカセドラルが有名で人気があり

観光バスが3台も止まっていました

アルベルゲも空きがなく、ホテルも満室でさらに隣村のアヘスまで歩くことに。

アルベルゲ難民になるかと思いながら足を進めます。

やっと

たどり着いたアヘスのアルベルゲに空きがあり宿泊することができました。

このアルベルゲで月水さんがディナーの後に琵琶演奏

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ほかの宿泊客と仲良くなり、結果的にアヘスまで来てよかったと思えた一夜でした。

 

カミーノ サンティアゴ巡礼の13日目

サントドミンゴ デ ラ カルサーダからビロリア デ リオハ

 

ガイドブックを無くしたことに気づいたのが昨夜の遅く。

 

今朝起きて、たぶん昼食を食べたレストランだと明確に思い出した。

 

そのまま歩き出すか、それともガイドブックを取りに行ってから

出発するか三人で相談をする。

 

ともかく、レストランに行ってみるが朝は営業してないようだ。

もしかしたら昼食からの営業かもしれない。

パラドールのチェックアウト時間を確かめると、なんと12時。

 

そうわかった瞬間に3人の答えは一致した。

 

12時に出発しよう。

 

そうすればパラドールを満喫できるし、ガイドブックも取りに行ける。

 

お決まりのカフェコンレチェとパンを食べて室内に戻って思い思いにすごす。

12時にチェックアウトしてレストランに行ってみると

 

まだ閉まっている。

 

隣のお店の人に尋ねてみると

なんと月曜日はお休みらしい。

 

なんのためにお昼まで待ったのか・・・

 

ガイドブックは無くてもいいんだ ということにして出発。

 

しかし足取りは軽い。

 

パラドールでゆっくり休んだせいか

 

歩くことになててきたせいか。

 

7kmの道のりを1時間余りで次の街に到着。

 

着々と進みfacebookライブと休憩のために

トラック野郎が集まるバーにはいる。

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トラック野郎が集まるお店が美味しいのは世界共通なのだろう。

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お菓子も

サンドイッチも美味しい。

美味しさにつられてつい長居をしてしまう。

もう夕方の5時近くだ。

 

あと1時間半から2時間くらい歩いて目的の街ベロラドに行こうと出発する。

 

しかし、なんだかベロラドの街のアルベルゲが満室になっている気がしてならない。

 

そう思っているうちに次の街ビロリア デ リオハの入り口に着いた

そこで見つけたのがこんな看板

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そうか そうなのか じゃあ泊ってみるか

 

ということでビロリア デ リオハのアルベルゲを訪ねてみた。

 

外見は古くあまり良くはないが、中にはいると意外にいい感じ。

めずらしく音楽が流れていて、それが喜太郎だ。

 

宿泊代金はなんと5ユーロ。

この町にはマーケットもカフェもレストランもないので

ここで夕食も朝食も用意するとのこと。

代金は?と尋ねると

ドネーションとの答え。

 

ここでアルベルゲの叔父さんと叔母さんの人柄の良さがにじみ出る。

「わたしたちアルベルゲは巡礼者のためにあるのよ。だから貴方達巡礼者は心ばかりのお礼でいいのよ」

 

いろんなアルゲルゲがあるがこれほどアットホームなところは初めてだ。

 

宿泊客は僕たちを含めて6人。

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美味しい手作りのパエリアの夕食を食べて

 

そのあと月水さんのミニコンサート。

 

心温まる1日だった

サンティアゴ巡礼12日目

アソフラからサントドミンゴ デ ラ カサダーラへ。

 

寒い

 

昨日は雨の中の行軍で手先 足先まで冷え切った。

今朝はアルベルゲを出た瞬間に寒い。

雨はもう止んでいるが、空には雲が低くたれこめている。

 

寒い

 

携帯を見ると表示温度が7度。

まだ9月の10日。二日前まで30度の直射日光を浴びていたことが嘘のようだ。

 

途中でフェイスブックのライブ配信をするが

電波状況が昨日につづき悪く、途中で断念。

まだ 昨日の続きで

ちぐはぐなままだ。

 

畑の中を歩き続ける。

 

冷気で頭が痛い。

 

雲が切れ始めて、わずかだが日の光が差し込んできた。

天使の階段のように光が天から降り注いでいる。

 

冷気が和らいできた。

 

それとともに3人の間に会話が始まった。

 

心に余裕が生まれる。

 

暖かさは心にも温かさを与えてくれる。

 

そんな当たり前のことに気づくのもカミーノだ。

 

明るく話す僕たちは

はるか前方を歩く二人連れに追いついてみようということになった。

 

ギアを上げる。

 

歩幅を少し広げ、歩みを速めてみる。

 

身体に負担はない。

 

目の前のふたりが近くなってくる。

 

今までにないことだ

 

これまでは抜かされてばかりいた僕たちが

 

あまり無理をせずにスピードアップして前を行く人たちに追いつき

 

「ブエン カミーノ」と声を残して先に行く。

 

爽快な感覚

 

歩みのギアを上げることが心のギアもあげることになった。

いや

心のギアが上がったから歩みのギアが上がったのかもしれない。

 

前方に次の村シルエニャが目前だ。

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シルエニャの村は今まで通り過ぎてきた村々とは趣が違う。

古い城壁があるわけでもなく

カセドラルがあるわけでもない。

 

そこには新しいマンションや戸建ての住宅とゴルフ場がある。

いわゆる新興住宅地だ。

 

しかし、販売に失敗したのだろうか入居者が少なく人の気配がしない。

 

巡礼の道の横にゴルフ場があり、そこにカミーノを示すホタテ貝のモニュメントがあった

 

そのモニュメントにいたずら書きがされていたが

それが秀逸というか見方によれば面白い。

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まるでフリーメイソンの象徴のようだ。

 

そう思うと、いろいろと想像が膨らむ。

 

大金を投じて開発をしようとした新興住宅地、

そしてゴルフ場。

 

その横を通る巡礼の道。

この道は1000年以上も続く聖なる道だ。

 

その道をしっかりと見据えるメイソンの目

「我々は見ているぞ」

その裏には

「新時代を築くために、古い信仰や宗教は必要ない、

必要なものは我々のフィロソフィーだ

せいぜい歩きたまえ。そして疲れたまえ。

新世界を築くのは我々だ」

というようなものか。

 

僕はカソリックでもプロテスタントでもない。

西洋人でもない。

いわば一番カソリックの巡礼地からは遠い種類の人間だ。

しかし

人の信じる力 を信じている。

人の愛する力 を信じている。

人の可能性  を信じている。

人の純真さ  を信じている。

宗教や国籍や人種を越えて励まし称え笑いあえるのがカミーノだ。

そこには多種多様性と目的の統一性がある。

 

無理やり一つのやり方に同化させようとはしない朗らかさがある。

 

だから一つの目に見据えられるのは御免だ。

 

そんな事を妄想しながらゴルフ場に併設されたカフェに入った。

 

施設が充実している。

 

う~ん、矛盾しているようだが

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やはり快適さにはかなわない。

このカフェでWIFIや文明の利器に大いにあやかった。

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新興都市を後にしてサントドミンゴに向かう。

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1時間あまりで到着。

 

ここは聖ドミンゴが作った町。

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聖ドミンゴはナヘラからレディシア デル カミーノまでの巡礼道を整備し

橋を架け、巡礼者の救援施設をつくった人。

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彼の名前から、この町はサントドミンゴ デ ラ カルサーダと名づけられた。

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その恩恵をいまも僕たちが受けることができている。

空海もそうだが、1000年以上前の人の功績がいまも生かされていることに驚嘆する。

街道沿いの人たちの生活を支えているといっても過言ではない。

 

サントドミンゴのカセドラルにはもうひとつ興味深い伝説がある。

 

その昔、夫婦と息子の3人がカミーノの巡礼を行ていた。

ところが、このカルサーダの街で息子が無実の罪に問われ囚われた。

結果、息子は絞首刑を宣告された。

息子を亡くした夫婦は悲しみにくれながらもサンティアゴを目指した。

すべての巡礼を終えて、夫婦はサンティアゴからカルサーダに戻ってきた。

亡き息子に会うために。

しかし

絞首台にはまだ息子の身体があり、まだ息をしていたのだ。

なんと聖ドミンゴが息子の身体を支えて彼を死から守り続けていたのだ。

 

夫婦は役場に行き、その旨をつたえた。

しかし役人はとりあってはくれない。

なおも訴えると役人は

「亡くなったものが生き返るわけはない、

それはまるで目の前にある調理された鶏が生き返るようなものだ」

といって取り合わなかった。

 

すると

 

目の前のテーブルにあった丸焼きの鶏が生きている鶏に変化したのだ。

 

驚いた役人は息子を絞首刑台からおろし、夫婦のもとに息子は戻った。

 

その後、ここのカセドラルでは生きた鶏が飼われている。

それは今もだ。

聖ドミンゴの霊廟の上に生きた鶏を見ることができる。

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小さいが見るべきものがある街、それがサントドミンゴ デ ラ カルサーダだ。

 

今晩 僕たちはアルベルゲではなく、パラドールに泊まることにした。

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スペインに来たならば巡礼中に歴史的な建造物に泊まらない手はない。

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久しぶりにゆっくりとした夜を楽しもう。