カミーノ サンティアゴ巡礼

巡礼24日目

レディゴスからレオン

走行距離26km

全行程468.8km

24.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スペインですっかりカフェコンレチェのファンになった。

日本やアメリカのコーヒに比べるとヨーロッパのコーヒは濃い。

いつもはブラックコーヒーをい飲んでいるが

スペインでその調子でブラックを飲んでいると苦くて胃に穴があきそうになる。

そこでカフェコンレチェの登場だ。

たっぷりミルクの入ったコーヒーに慣れたら、やめれなくなってしまった。

カフェを見つけるたびにカフェコンレチェを飲むことになる。

値段は1ユーロか1ユーロ50セントまでくらいが相場だ。

 

朝はカフェコンレチェにクロワッサンかスパニッシュオムレツ、それにオレンジジュース

というのが定番になった。

 

日本は均一化が好きな国だがスペインは真逆だ。

パンの大きさなど細部にはあまりこだわらないようだ。

同じ値段で1廻りも2廻りの大きさの違うパンが売られていたりする。

 

今朝のクロワッサンはとびぬけて大きかった。

1

 

蟹か!?

と思うほど大きかった。

指で比較するとこんな具合である。

 

1.1

 

 食べ応えのある1品だ。

 

変わったのものといえば、カフェのトイレの中にこんな自動販売機があった

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ベネトンのコンドーム。

アメリカのバーやドライブインなどでコンドームの自動販売機を見たことはあるが

ベネトン製は初めてだった。

unitedらしく様々な人種の顔が描かれている。

後にも先にもカミーノでコンドームに自動販売機を見たのは1回だったが

巡礼中に恋愛に発展することは大いにあると思われる。

 

人種、国籍を超えて集うカミーノは「出会いの場所」である。

しかも目的が同じなので共通項を見出しやすい。

 

きっとカミーノ婚やカミーノ恋愛をしている人は多いに違いない。

 

 面白い光景に巡り合うのもカミーノを歩く楽しさの一つだ。

レオンの郊外でこんなオートバイ屋さんがあった。

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 一見 普通のバイク屋さんみ見える。

しかし

よく見ていただきたい

右から2番目のバイク

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POLICIAと書かれている。

 

 これは「白バイ」ではないのか?

普通の街のバイク屋さんで「白バイ」を売っているのか?

「この白バイくださいっ」て買えるのか?

あるいは、警察官で白バイ隊に任命された人が買いに来るのか?

はたまた警察が発注したものを店頭で見せびらかしているのか?

 

いずれにしても不思議である。

 

不思議と言えば

巡礼中にしばしばあるのだが

カフェでひと休憩したり、ランチを食べたりしているときに

警察官が店のカウンターでコーヒーを飲んでることがある。

あ~警官がいるなあと思って、

食事をすませて休憩を終えて、再度歩き出そうと席を立つと

 

まだ警官がいるのである。

 

カウンターにへばりつくように立ってテレビを眺めたり

店の親爺と話していたりする。

 

「彼らは働いてるのだろうか?」

それとも

「相当に入念な聞き込みを行ってのだろうか」

と思ってしまう。

 

こういう光景を見たら観察してみたくなる性質なので

チラ見をしていると

 

やっぱり緊張感はない。

 

あるときなどパトカーが3台連ねて駐車をして

数人の警官がまどろんでいた。

 

平和である。

 

警官が緊迫しているのと、まどろんでるのどちら方が良いか?

 

その答えは明瞭だ

 

まどろんでいる方が平和に決まっている。

 

すべからくカミーノは平和である。

 

そうして店の窓ばかり見て歩いていると

たまごちゃんが面白いアイデアを思い付いた。

 

窓に映った姿を写真に撮ろう!

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 僕たち ずれずれ巡礼団の姿である。

 

そうこうしているうちにレオンに到着した。

 

レオンとえばステンドグラスのカセドラルが有名だ。

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外からはステンドグラスがあるようには全く見えないが

中に入ると圧倒されるような色彩に驚かされる。

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夜のカセドラルもライトアップされていて美しい

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 夜のレオンは昼間と打って変わった賑わいを見せる。

カセドラル近くの路地は夜八時くらいから

わらわらと人が集まりだし、喧噪ぶりを発揮する

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 レオンの夜は深い、あっという間に深夜になる。

住人も巡礼者も観光客も入り混じっての大宴会。

町中が居酒屋になったような雰囲気だ。

だけど

嫌な感じは全くない。

健康な酔い方というのがあるかは分らないが

極めて陽性の酔い方、遊び方のように思えて親しみがわく。

 

巡礼は決して厳しいだけではない。

 

こういった開放も巡礼のなかの一コマである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

21日 巡礼23日  サハグンからレディゴス

走行距離31キロ

全行程442.8キロ

 

23.1

 

 

 

 

 

 

昨夜のステーキの興奮覚めやまぬまま起床。

スペインの夕食は8時からのお店もあり、昨日も食べ終わったのが10時を過ぎていた。
あのステーキは当たりだった。
次スペインにきたら、あの店にまず行く
とか話ながら歩き出す。

ステーキの話しから不思議なおじさんの話しに。

そのおじさんは昨日のサアグーンの雑貨屋の親爺だ。

お店に入って店の中をひと廻り

 

小物を買って店をでたら、親爺がドアから顔を出してこう言った

「あんたこの一年のうちに結婚するよ」

「?」

なんだ唐突に?

4人のうち3人は既婚者である。

親爺は月水さんをみて

「あんただよ」

驚愕である。

 

その通り月水さんだけが未婚だったのだ。

道中、月水さんの結婚は度々話題になっていたのだ。

僕は店に戻って訪ねた

「あなたはシャーマンなのか?」

親爺は

「シャーマンじゃないよ。でも時々、そう感じることがあるんだ」

なるほど。

そういうことほど的を得てることが多いものだ。

月水さんは「昨日のおじさんの言ったことはどうなんだろう?」と気になる様子。

当然だ。

見も知らぬ通りすがりの出来事だ。

しかしこの近年、月水さんには「結婚が近い」や「彼氏ができる」的な事を言われたり、

連続してその意味のおみくじをひくという出来事が頻発しているらしい。

 

また、霊能者にもこの1年くらいで結婚するようなニュアンスの話を聞いているようだ。

それで、スペインでもだ、しかもカミーノを歩いている途中。

雑貨屋の親爺の【天啓】とである。

いやが上にも道中はその話で盛り上がる。

途中でランチにする

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レストランに入ると良く会う韓国の女がが二人。

 

「オラー また会いましたね」というと

彼女達が「ラーメンあるよ」とおしえてもらう。

「えっラーメン!」

 

「シンラーメン」とうなずきながらメニューを指している。

たしかにメニューを見ると辛ラーメンと書いている。

四人とも辛ラーメンを注文。

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その夜、再度オラクルカードをひくことに。

もちろん月水さんの昨日の出来事が目的だ。

このオラクルカードはカミーノの道中に見つけたカミーノのオラクルカードだ。

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月水さんがおもむろにカードを引く。

まただ!
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このカード。

「正しいことはハートでわかるもので、大事なことは目に見えないものだ」

みたいな意味でしょうか。

なぜか、このカードばかりでるのです。

 

【目に見えるものは絶対じゃない。目に見えないものに本質がある。】

というのは僕が色々と経験した中で言えること。

 

それと同じような意味のカードが連続して出て。

しかも、親爺からの突然のメッセージ。

 

これは素直に信じるしかないでしょう。

 

4人は全員がその思いに浸り

カミーノで起きる現実の中の非現実性を改めて思い知らされた。

 

そういえば、辛ラーメンの女の子二人も、なぜか何度も顔を合わす。

大勢の人が歩くカミーノ。

 

追いつき、追い越され、毎日 何回も多くの人と

「ブエン カミーノ(良い巡礼を)」という言葉を交わす。

 

しかし

 

何回も会う人とは、何回も会うのだ。

 

それは「縁」としかいいようがない。

 

「縁」とは目に見えないもの。

 

目に見えないものに本質がある。

 

月水さんのその後はどうなるのか?

 

韓国の二人とはまた会うのだろうか?

 

アメリカ人のロバートはどうしただろう。

 

オーストラリアの老夫婦は元気だろうか?

 

 

そういえば

 

【カミーノ】

 

当て字で書けば

 

【神の】

 

この道はこれから僕たちに何を示してくれるのだろうか。

 

 

 

 

22日目 モラティノスからサアグーン

走行距離10km

全行程411.8km

22.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日はのんびりの日

サアグーンでもう一人の参加者クボちゃんがブルゴスからバスでやってくる。

そのバスの到着時間が午後なので、

自ずと出発もずれずれになる。

 

昨日は壊滅的だったこのアルベルゲの食事メニュー。

あまりの壊滅ぶりに、写真を撮るのをすっかり忘れていた。

 

そもそもカリオンで夕食のレストランに入ったときのことだ。

お店の人が「ここで牛肉をたべなきゃ何処で食べるの!?」的な

ことを言われたのだ。

 

そこで、メヌー(これはスペインの定食)で牛のシチューを頼んだのだ。

もちろん、美味しかった

 

しかし

 

隣のテーブルのご夫婦はアラカルトの牛ステーキを注文していた。

 

それが

 

美味しそうだった

 

いやいや

 

かなり美味しそうだった。

 

僕たち3人は思わず”失敗した!!”と口をそろえて叫んだのだ。

 

そのリベンジを果たすべく

このモラティノスも同じ地方。

牛肉が美味しいに違いない。

 

昨夜のアルベルゲでリベンジを果たすべく夕食に臨んだのだった。

 

メヌーとは

第一群 から1品

第二群 から1品

あとワインかミネラルウオーター

そしてデザート群から 1品

という組み合わせで大体の相場が10ユーロ前後となっている。

 

第一群はサラダをチョイス。

第二群で

たまごちゃんはチキンのグリル

月水さんはカラマリ(イカ)とポテト

僕は孔子のシチュー

を注文した。

 

前夜からの持越しの牛である。

ステーキじゃなかったのが残念だったが仕方がない。

 

最初にたまごちゃんの注文したチキンのグリルが出てきた。

「?」

これグリル?

煮てない? どっちかというとシチューっぽいよね。

 

次に月水さんのカラマリ&ポテト。

これは僕たちの早とちりかもしれないが

てっきりイカフライとフライドポテトが出てくる思っていた。

例のイカリングである。

 

しかし、出てきたものは

イカとポテトの煮物だった。

 

えっつ?

 

予想外の展開。

 

そして最後に僕の注文した仔牛のシチュー

??

???

「これなんですか?」

ウエイトレス兼作ってる人だと思う30代の女性が

説明しようとする。

英語は分からないようで、スペイン語と身振り手振り。

出てきたものは

輪切りのソーセージが曼荼羅のようにレイアウトされている。

結局webのスペイン語の翻訳を使いながら分かったこと

それは

だった。

 

あ~ 豚の血のソーセージだ!!

有名なソーセージだ。

しかし

仔牛と豚は大違いだし

ソーセージとシチューも全く別物だ

 

あまりの壊滅の具合に呆然とした。

 

人間 呆然としたら写真を撮るのを忘れるようだ。

 

このアルベルゲは3人だけで6人部屋が使えて快適だった

快適だっただけに壊滅的なメニューが残念だった。

 

しかし

 

思い起こせば壊滅的なことがもう一つあったのだ。

 

それはオーナーらしき40歳代のおじさんだ。

 

おじさんの頭はあまり見たことのないヘアースタイルだった。

それは

後ろから前へのバーコードだったのだ。

 

壊滅的なヘアースタイルだった。

 

そこから兆候があったのだ。

 

壊滅的といえば

 

サアグーンの手間の村に小さな聖母教会がある。

 

なんだかそこの中に招き入れられた。

そこのおばさんが

「ここはサンティアゴまでの中間的なのよ

あそこの石のゲートみたいなところがそのポイントよ」

と教えてくれた。

教会では月水さんも演奏をして

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 良い気分でそのゲートへ。

 

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 「やった~半分来たぞ!!」と三人で写真を撮りあっていると

 

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後ろからスペイン人のおばさんが

「あなたたち何処から来たの」と話しかけてきた

「サンジャンピエドポーだよ」というと

「そこはスペインの起点からの半分なのよ」

と笑いながら教えてくれた。

 

え~~~

違うの?

ということは

僕らはもっと遠いところから来ているので

すでに半分のポイントは過ぎている。

 

この道

一応

「フランス人の道」という名前なんです。

 

半分のポイントは結構大事だと思うんだけど

そんな指標は無かったような。。。

 

う~ん 僕らも壊滅的だ。

 

気を取り直して出発。

 

無事 サアグーンに到着してクボちゃんとも合流。

 

夕食をとりに町中に。

 

今度こそリベンジを!!

 

入ったレストランが大正解

やっと牛ステーキにありつけた。

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しかも味は絶品。

東京で食べたら1万円はするであろうこのステーキが

20ユーロ!!!

 

サアグーン万歳

レオン州万歳

スペイン万歳

 

「壊滅」は「絶頂」を演出する最高のスパイスだ

 

物事は常にフラットだ

善悪はそれを受け取る人の価値観に左右される。

 

善悪はここスペインでも無かったのである。

 

 

 

 

 

 

21日目 カリオン デ ロス コンデスからモラティノス

走行距離 29.5km

全行程 401.8km

21.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは天使だ ならぬ 僕たちは天使だ!?

懐かしいテレビドラマを思い出した。

麻生探偵事務所ではなく、

こちらは ずれずれ巡礼事務所。

しかし

時々、僕たちは天使にもなる。

 

メセタの一本道

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遠く前を一人の大柄な性が歩いていた

 

その背中を見ながら 僕たち三人は他愛もない話をしながら歩いていた。

 

月水さんが

「あの人 こっちに向いて歩いてない?」

そんな訳はない。

一向に男の人は近づいてこないので目の錯覚だ。

 

男の人の歩き方がぎこちない。

なんだかフラフラしている。

 

どんどん僕たちが男性に追いついていく。

 

あっ!!

 

僕ら3人は瞬間的に駆け寄って男性を支えた。

 

意識が朦朧としている。

 

手が冷たい。

 

目が虚ろだ

 

バックパックに手をかけて、重さを軽減させながら

 

ゆっくりと座るように促した。

 

すると後ろからスペイン人のグループが近づいてきた。

 

スペイン語で男性に問いかける。

 

低血糖かもといって、オレンジジュースとキャンディーを取り出した。

 

男性がオレンジジュースを飲み、

 

顔に赤みがさしてきた。

 

よかった。

 

グループの一人が電話をしている。

 

救急車を呼んでるのか?と尋ねると

サポートカーに連絡をしたとのこと。

 

なんと彼らはサポートカーをつけながら巡礼をしていたのだ。

 

5分もしないうちに彼らの車がやってきた。

 

男性は車に乗り込む前に僕たち三人に握手をしてきた。

 

手に温かみがあった。

 

大丈夫だ。

 

なんか前を行く男性が気になるなあと話しながら歩いていた僕たち。

月水さんが「こっちに歩いてくるよ」と言ったのは

もしかしたら、彼のスピリットが助けを求めていたのかもしれない。

 

ずれずれ巡礼団も

いつも

ずれずれ ではないのだ

 

時々

 

天使にもなるんです。

1

 

 

 

20日目 ポプラシオン デ カンポスからカリオン デ ロス コンデス

走行距離 15.5km

全行程 372.3km

20.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すっかり、ゆっくりする癖がついた僕たち。

日が昇ってからの8時過ぎに出発。

アルベルゲを出るとロベルトがホステルのほうから戻ってくる。

「どうしたの」と聞くと

どうやら友人が胃痛だとのこと。

 

食べすぎか?

 

彼らはもうちょっと様子を見てから出発するとのこと。

 

大丈夫か友人。

 

ロベルタにまたどこかで会おうと言い合って出発。

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通りかかりのアルベルゲでネイティブアメリカンのティピを見かけた。

ここにもネイティブ好きな人がいるんだと共感。

メセタを行く

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 何もない。

収穫のあとなのだろうが、何もない。

これだけ何もないと清々しい。

だけど、ここを歩くのは辛い。

川沿いに緑が出てきて、おじさんが犬の散歩をしている。

ずっとつかずはなれずで2匹の犬とおじさんと歩く。

するとおじさんが路肩に行き草を引っこ抜き始めた。

 

立ち止まって見ていると、

おじさんが根っこを差し出し来た。

噛んでみろ と仕草をする。

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苦甘い。

意外に美味しい。

おじさんは「これは胃に良いんだ」と身振り手振り。

一本づつ分け与えてくれた。

あ~ロベルトの友達 ここに良薬があるぞ!!

 

しばらくくいくと小さな町の教会。

なんとなく魅かれて入ると

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美しい。

静かないい教会だった。

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 カミーノには巡礼者の彫刻が時折ある。

有名人かもしれないが・・・わからない。

カリオン デ ロス コンデスに到着した。

ここでも巡礼者像が出迎えてくれる

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カリオンでは2軒のアルベルゲが満室。

2軒目のアルベルゲで夜に音楽会があるから来ないかと誘われる。

月水さんの琵琶演奏もしてほしいとのこと。

空いてるかもしれないアルベルゲも教えてもらい、

無事3件目でチェックイン。

 

音楽会が行われるセントマリア修道会が運営すアルベルゲに行ってみる。

修道女と馴染みの巡礼者が中心になり音楽会が始まった。

ロビーに椅子が並べられ、階段も客席に早変わり。

総勢30人を超える観客に膨れ上がった。

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馴染みの巡礼者のギターでみんなが合唱。

いろんな国の歌をみんあが唄う。

次に修道女がギターを弾いて弾き語り。

(上の写真の太鼓をたたいてる方)

彼女が上手くて聞きほれちゃいました。

讃美歌は粛々とするだけのものではなく、

楽しく、聞かせる讃美歌もあるんだと感慨深いものがありました。

ゴスペルとはまた違う楽しさ。

次に月水さん

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月水さんが弾き始めると、正面に座りなおす修道女の方々

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 みんな聞き惚れてました。

凄いぞ月水さん

凄いぞ琵琶

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 月水さんのこの時の演奏はこちらからお聞きください

 

 

 

 

 

 

 

 巡礼19日目 イテロ デル カスティージョからポプラシオン デ カンポス

 走行距離18.5km

全行程356.8km

19.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時期のスペインの日の出は8時過ぎ

歩き始めてしばらくたってから夜が明ける。

建物もなく、山もないので日の出近くの影は長い。

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今日の道はカスティージョ運河沿いに行く快適な道だ。

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 運河のおかげで緑が多い。

緑が多いというだけで癒される。

荒涼とした平原とは天と地の違いがある。

並木は影を作ってくれるので、ほんのひと時だが身体が休まる。

それが気持ちをも和らげてくれる。

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そんな運河沿いの道を僕たちはゆっくりと歩んだ。

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ゆっくり歩くと、ゆっくり歩く人と共鳴するものだ。

次の街でちょっと様子の違うレストランを見つけた

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 まるで当然であるかのように、僕たちはこのゲートを潜った。

いい感じ。

巡礼者むけのレストラン。

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このレストランでのんびりとしてる一人の叔父さんが話しかけてきた。

彼はイタリア人でロベルトという。

今回でカミーノが14回目の強者だ。

 

回数を重ねているだけあるのか、余裕が感じられる。

急いで行くだけがカミーノじゃないぜ的な風格。

彼は一眼レフのカメラを持って美しい風景を撮るのが好きらしい。

もう一人もイタリア人でロベルトの友人だ。

 

友人も一緒に話しかけてきたが、あまり英語がうまくない。

まず、おじさんの事を「She」と言っている。

ロベルトがそれを聞いてクスクス笑いながら

「お前、いま俺のことをSheと言ったぞ、俺は女じゃないよ」

友人は首を横にふりながら

「いやいや そんな事言うわけないじゃん」

ロベルトは

「いやお前はSheって言った Sheって言った」

友人が「だから言ってないって」

そのやりと見ていて面白くて1枚加わってやろうと思った

「うん彼はSheって言ったよ」

喜ぶロベルト、がっくりうなだれる友人。

 

子供か!! このおっさん達は!!

いいなイタリア人。 底抜けに明るい。

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(右から2番目がロベルト)

すっかりご機嫌なロベルトが質問をしてきた

「今日君たちは何処までいくんだい」

「フロミスタだよ。あなたは?」

「俺たちはフロミスタの次の町 ポブラシオン デ カンポスだよ」

「どうしてフロミスタじゃないの?」

この辺りで1泊となるとフロミスタにするのが常套なのだ。

ロベルトは意味ありげな顔をしてこう言った

「その町には飛び切り美味いアホスープがあるんだぜ」

 

おおおっつ

アホスープ!!

 

アホスープとは

にんにくスープのことだ。

 

「あとパエリアも美味いぞ!!」

 

それを聞いて僕たち3人は声をそろえて言った

「僕らもそこに行く!!!」

 

しかしロベルトは慎重そうな面持ちで

「俺がそう思うだけだよ」

 

いやそれがいいのだ。

カミーノ歴14回の強者がお勧めの食事、

それがイタリア人であれば間違いはないに違いない。

快楽を追い求めているイタリア人だ。

美味しい食事と美味いワインと美味いコーヒーと美人を追い求めるのがイタリア男の常だ。

これに乗らない手はない。

 

「シンクロには素早く乗っかる」を信条にしている僕としては

絶好の機会到来である。

 

ロベルトは手際よく僕たちのアルベルゲとレストランの予約もしてくれた。

「じゃあ ポブラシオン デ カンポスで」

と言って二人はレスランを出て行った。

 

僕たち三人の足取りは自然と軽くなった。

一つ先の町まで行くことになったが

そこではアホスープが待っている。

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鉄板から抜け出てきた巡礼者も楽しげだ。

かくして僕たちはポブラシオン デ カンポスに到着した。

小さい町だ。

アルベルゲの受付はホステルのフロント。

フロントのおばさんが「あなたたちのことは聞いてるわ」と言ってくれた。

ありがとうロベルト。

アルベルゲでの指示を受け夜7時からここのレストランで夕食とのこと。

レストランでは12名の大きいテーブル席が用意されていた。

巡礼者たちの席だ。

思い思いに座る。

食事の前に女主人がでてきてみんなに自己紹介をさせた。

 

女主人はまずロベルトに貴方からよと言って

しばしロベルトと軽口をたたきあった。

 

やはり彼は常連なんだろう。

それだけに食事の期待感が膨らんだ。

 

自己紹介といっても名前と出身国を言うだけの簡単ものだ。

イタリア、スペイン、スコットランド、フランス、アメリカ、日本

だけど、それだけでぐっと親近感が増す。

 

まず、アホスープ

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ど~んと来た。 アホスープ これで4~5人分。

お皿に取り分けてもまだかなり残っている

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美味い!!!!

そんなににんにくが効いてるわけではないが美味しい。

ほぐしたパンが入って、これがまた味がしみ込んでいて美味しい。

しばらくして

入り口に近い席から歓声が

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来たぞパエリア!!!!

でかいぞパエリア!!!

美味しそうだぞパエリア!!!

みんが席を立って写真を撮りに行った。

そうさせるくらいの迫力があった。

女主人が取り分けてくれる

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うひょう~ みんなが口々に叫んだ。

おかわりは自由よ、どんどん食べてみたいなことを言ってる。

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彼女が女主人。パエリアの大きさをわかってもらえるでしょうか。

 

ありがとうロベルト!!

 

 

 

 

 

 

 

 

巡礼 18日目

オルミージョスデルカミーノからイテロ デル カスティージョへ

走行距離32.8キロ

全行程距離 338.3キロ

18.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨日のレストランのコンサートの成功もさめないまま。

朝 アルゲルゲを早めに出発。

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だけど

グリーンツリーが明いていたので、挨拶にと入ったところ

エマと話し込んで、すっかり出発が遅くなってしまった。

しかし

このエマとの話で遅くなったことが

パラレルワールド

を生み出すことになるとは誰も知らないことだった。

 

オルミージョスデルカミーノを出て見通しの良い道を行く

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飽きてしまいそうな風景にこんなものが見えてくると

なぜか元気になります。

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昨日泊まるはずだったオンタナス。

昔の巡礼者はこんな感じだったのでしょうか。

さらに麦畑しかないメセタの大地を進みます。

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すると

サンアントン修道院跡が姿を現す。

この何もないメセタで、この修道院に救われた巡礼者が多かったのではないだろうか。

それほど僕たちは乾いていたし、修道院は壊れてはいるものの威厳に満ちていた。

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この修道院跡地のアーチがパラレルワールドの入り口だったのだろうか

 

しばらく行くと

 

ふっと後ろから現れた自転車に乗る人。

 

そして僕たちを追い抜きざまに

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

と言ったのだ。

 

あまりにも唐突で僕たちはそろって理解不能だった

 

すると

 

再度

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

自転車に乗った男の人はスピードを緩めることも

振り返ることもなくあっという間に小さくなっていく。

 

そして また

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

ようやく3回目で僕たちは明瞭に理解できた

おじさんは

「南無大師遍照金剛」と言っていたのだ。

僕たちは今日はバックパックのデリバリーサービスを頼んでいたので

大きな荷物を背負っていなかった。

3人は四国お遍路の白い行着を着ていた。

ちょうど たまごちゃんは背中に小さなデイパックもなかったので

背中には「南無大師遍照金剛」と書いている。

 

そして、おじさんはといえば

 

摩訶不思議な恰好をしていたのだ。

 

まるで、おとぎの国から出てきたかのような恰好

おじさん生写真小

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車の右に見えるのがそのおじさんだ。

もう少し大きくしてみると

おじさん1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おじさん2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中世の恰好をしたかのようなおじさん。

そして、言った言葉が

「ナム タイシ ヘンジョー コンゴー」

 

僕たち3人の驚きを理解してもらえるだろうか?

 

すぐ近くの街の人達はみんなあんな恰好をしているのか?

はたまたフェスティバルか何かがあるのか?

 

次の街でいろいろと見て回ったが

あのおじさんは見つからなかったし

似たような恰好をしている人は一人もいなかった。

 

彼は誰なのか?

 

なぜ「南無大師遍照金剛」を知ってるのか?

 

謎が謎を生む

 

こんな片田舎で

 

もし、日本に来たことがあるのなら、立ち止まって話しかけてきてもよいではないか?

 

韓国人は多くカミーノを歩いているが、日本人は珍しい。

しかも

僕たちは「南無大師遍照金剛」の行着を着ているのにだ。

 

彼はどこから来たのだろう?

 

僕たちはどこを歩いているのだろう?

 

あのゲートをくぐったとき異次元に迷い込んだのか?

 

昨日のシンクロが続き、今朝エマの店に行ったことでこの出会いが決定したのか?

 

空海は今も生きているといわれている。

ならば偏在してもいいではないか、このスペインの地にも。

 

同行二人

 

これを纏う意味が少し分かったような気がする。

 

 *この旅に出る前にHITOEさんの施術を受けてきた。

神門を開くというものもその中にある。

そすればシンクロが起きやすくなるということであった。

まさにシンクロ祭りである。

参照 ボディケア 骨盤調整 シンクロ体質

 

 

 

シンクロが起きる沸点というものがある。

 

それは小さな積み重ねを積み上げた結果

コップから水が流れ出すようなものだ。

 

その時が来た。

 

月水さんはカミーノを歩き始めてから各地で琵琶演奏を行ってきた。

 

亡き日本人巡礼者シンゴ ヤマモトさんの慰霊碑の前での演奏から始まり

 

カフェ、アルベルゲ、食堂、教会、丘の上、礼拝堂・・・

 

観客なしのときもあれば、数人、時には数十人のときもあった。

 

言葉がわからない中での演奏、

琵琶演奏はストーリーテリングだ。

 

歴史の物語を琵琶演奏にのせて唄う。

 

言葉の意味が分からなければ面白みは半減する。

 

しかし

 

カミーノを歩く人たちは熱心に耳を傾け

 

月水さんが奏でる琵琶の音と唄声の中に在る魂に触れようとしてくれた。

 

少なくとも僕にはそのように思えた。

 

その小さな一滴が一回り大きな雫になった。

 

ブルゴスから約20キロ

オルミージョスデルカミーノの街に入ったときにそれが起きた。

本当は、この10キロ先のホンタナスの街まで行く予定だった。

 

この先のスケジュールを考えると今日は無理をして30キロ歩いて

少しでも前に進んでおきたかったのだ。

 

しかし

 

街に入って、向こうから赤い車が走ってくると私たちの横でブレーキをかけ

女性が窓を開けてはなしかけてきた

「今夜 うちでコンサートやらない?」

 

それはあまりにも唐突な申し出だった。

 

月水さんが演奏家であることなど話す前に

彼女から切り出した言葉だった。

 

「私はレストランをやってるの、この町の一番端のレストラン グリーンツリーよ」

私たちは戸惑い気味に

「今日はホンタナスまで行く予定なんです。だけどランチをあなたのお店で食べますよ」

と答えた。

彼女の車は町を離れ、私たちはレストランへ向かった。

 

街の一番外れにそのレストランはあった。

巡礼者が街に入り、一番最後に目にするのが彼女のレストラン。

いつも思うのだが、街の入り口にあるカフェやレストランは賑わっていて

奥に行くにしたがって、閑古鳥が鳴いている。

街の出口に近いのに賑わっている店にはそれなりの理由があるようだ。

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彼女の店もその理由がある店だった。

私たちが訪れた時間はランチの時間とも少しずれていたからか

あまりお客さんはいなかった。

しかし、

店内のレイアウトや内装がスペインらしくない。

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とりわけほかの店との違いはメニューにあった。

 

一般的なスペインのカフェやレストランとは明らかに違う。

 

まず目をひいたのがカレーWITHライス。

 

そしてハンバーガー、ハチミツのサラダなどなど。

 

出てきたカレーはタイ風のグリーンカレー。

ほどよく蜂蜜とビネガーとオリーブオイルがまざった絶妙な味のドレッシング。

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美味しい

 

美味しいのだ。

 

しかもスペインらしくない感覚。

インターナショナルな感覚とでもいうのか。

スペイン人でもない僕がいうのもヘンな話だが

ドメスティクな感覚じゃないのだ。

 

この味覚が今夜のコンサートの成功を予感させた。

レストランを出てアルベルゲに入り、シャワーを浴びて洗濯。

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横のチャペルを参拝して再びレストランに向かった。

 

レストランは満席。

お客さんは100%巡礼者。

どうやらこの町で洗練されたレストランはここだけなので

この町に泊まる鼻の利く巡礼者はここにやってくるのだ。

 

巡礼者の年齢層は幅広い。

10代から70代までいる。もしかしたら80代もいるかもしれない。

自炊をして倹約した旅をしている人もいれば

レストランで食べる人もいる。

アルベルゲに泊まらずテントを持ち歩いている人もいれば

ホスタルに泊まる人もいる。

様々なのだ。

 

そして総じて知的レベルが高い。

 

話した人たちは弁護士だったり大手IT企業のエンジニアだったり、教師だったりだ。

 

このレストランに来ている人たちも多くは40代以上の落ち着いた雰囲気。

 

レストラン グリーンツリーのオーナー エマが

「今日は日本から来てるビワの演奏家 ゲッスイ

とスパニッシュギターの演奏があります

まずはゲッスイ!!」と紹介すると

 

お客さんは一斉におしゃべりをやめてステージに注目した。

 

月水さんがインストルメンタルで琵琶を弾き始める。

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椅子をステージのほうに向けなおして聞き入る観客。

 

琵琶の音が染みわたっていく。

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次に「壇ノ浦の合戦」

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月水さんの歌声はパワフルだ。

石造りのレストランは反響して、その波紋も増幅させる。

 

大喝采。

 

 大成功だ。

 

次の女性のスパニッシュギターの弾き語りの方も素晴らしかった。

 

エマが車越しに「今夜コンサートをやらない?」

と誘ってきた直観。

それに予定を無視して乗った私たち。

 

スケジュールされた旅から逸脱するところに、この旅の面白さがある。

 

そして、それがシンクロニシティーを加速させる。

 

スパニッシュギターの方は隣町の住人らしい。

彼女はときどき、この店で引き語りをするという。

 

演奏会が時折あるレストラン。

それだけで魅力的で人気の店になるに違いない。

 

翌朝、コーヒーを飲みに立ち寄って話すと

エマはスコットランドの出身だった。

 

彼女もカミーノを歩いたそうだ。

 

そして、夢の中に色んな国々の人々、多くの動物が彼女の前を通り過ぎる

夢を見たという。

 

その後、パートナーと知り合い、この村でレストランをすることになったそうだ。

 

そして、いま彼女の目の前を多くの人達が通り過ぎていく。

 

「夢の通りなの」

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彼女は満足そうに笑いかけてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はブルゴスで終日滞在。

久しぶりの何も移動しない日。

 

昨夜はブルゴスの公営アルベルゲに宿泊。

このアルベルゲが大きく、建物の外側は古いのですが

中に入るとモダンで綺麗なつくり。

なんと150名も収容できる巨大アルベルゲ。

 

アルベルゲは8時には出ないとだめなので、

カフェに行き、ブルゴス大聖堂の開門をまって大聖堂へ。

公営アルベルゲは大聖堂のすぐ裏なのですごく便利。

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大聖堂では入場料が一般客料金のほかに巡礼者料金がありほぼ半額。

巡礼者は優遇されるのです。

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大聖堂の前のはこんな巡礼者の像もあります。

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お決まりのようなこんな写真をとり大聖堂の中へ。

 

大聖堂の受付横には荷物をあずけることができるスペースと

コインロッカーがあります。

なんと私たちは大聖堂を出て観光をして次のホテルをみつけるまでの

訳半日間も荷物を預かってもらいました。

 

ともかく

大聖堂は圧巻の一言。

外見の存在感からして圧倒されるのですが、

中に入るとひとつひとつの間が宗教画や像で埋め尽くされています。

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天井を見ればため息が出るほど美しい。

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このステンドグラスの窓の外には中庭を挟んで大聖堂の裏側が

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大聖堂のあとはチュチュートレインに乗ってブルゴスを一周。

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 城跡のある丘からブルゴス市内を一望できます。

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ブルゴス もう一度訪れたい街になりました。

 

 

 

 

巡礼15日目 アヘスからブルゴスへ

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まだ月が出ているアルベルゲを出て10歩くらい行ったところで、

途上に置かれたパンを発見

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なんだ? と思い建物の左をみると

どうやらカフェの雰囲気

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山小屋風のよさげな感じ。

中に入ると、すでにお店は人でいっぱい。

並んでカフェコンレチェとパンをオーダー

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気のよさそうな おじさん と おなさんがやってるカフェ。

おじさんはコーヒーの担当。

おばさんはオーダーを受けてから

生ハムやチーズをスライスしてサンドウイッチを作ってくれます。

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美味しいという言葉で足りないくらい。美味しく雰囲気も抜群。

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すっかり店内の人がいなくなるまで、長居をしちゃいました。

 

結果的に、アルベルゲを10歩はなれたカフェに1時間以上いたので

アヘスを出たのは9時近く。

僕たちが泊まれなかったオルテガの泊まった人たちも、

すでに僕たちを追い抜かかして先に進んでいます。

 

またいつもの如く出遅れ感。

 

アヘスからブルゴスへは可愛い村々を通る楽しい道が続きます。

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丘の上には十字架があり、そこで月水さんも演奏

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丘を降りていくとまた村があり

こんな家もあります

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もうカミーノが当たり前なんですね。

ここを行くとまもなくブルゴス空港の近くにやってきます。

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しかし

僕たちを待ち受けているたものは

ここからの試練でした。

 

大都市郊外にある工場や展示場などの誘致地区

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しかも閉鎖されている会社も多く

人気がありません。

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大都市の郊外によくあるバイパスをとおります

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遠い

 

ブルゴスが遠いのです。

 

無味乾燥でコンクリートの道をひたすら歩きます。

 

コンクリートがどれほど固いか。

 

土や自然の山道を歩いていると、それがよくわかります。

 

工場地帯のコンクリートの道が修行のように辛い。

 

そしてようやく人の住む気配が見えてきます。

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マンションに大きなホタテ貝が!!!!

ずっと矢印もホタテ貝もなかったので

なんだかすごくうれしくなりました。

しかし

ここからでもさらにブルゴスの中心部まではまだあります。

やっと旧市街地の中心部へはいる門が見えてきました

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やっと落ち着くかんじ

到着!!!