21日目 カリオン デ ロス コンデスからモラティノス

走行距離 29.5km

全行程 401.8km

21.1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは天使だ ならぬ 僕たちは天使だ!?

懐かしいテレビドラマを思い出した。

麻生探偵事務所ではなく、

こちらは ずれずれ巡礼事務所。

しかし

時々、僕たちは天使にもなる。

 

メセタの一本道

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遠く前を一人の大柄な性が歩いていた

 

その背中を見ながら 僕たち三人は他愛もない話をしながら歩いていた。

 

月水さんが

「あの人 こっちに向いて歩いてない?」

そんな訳はない。

一向に男の人は近づいてこないので目の錯覚だ。

 

男の人の歩き方がぎこちない。

なんだかフラフラしている。

 

どんどん僕たちが男性に追いついていく。

 

あっ!!

 

僕ら3人は瞬間的に駆け寄って男性を支えた。

 

意識が朦朧としている。

 

手が冷たい。

 

目が虚ろだ

 

バックパックに手をかけて、重さを軽減させながら

 

ゆっくりと座るように促した。

 

すると後ろからスペイン人のグループが近づいてきた。

 

スペイン語で男性に問いかける。

 

低血糖かもといって、オレンジジュースとキャンディーを取り出した。

 

男性がオレンジジュースを飲み、

 

顔に赤みがさしてきた。

 

よかった。

 

グループの一人が電話をしている。

 

救急車を呼んでるのか?と尋ねると

サポートカーに連絡をしたとのこと。

 

なんと彼らはサポートカーをつけながら巡礼をしていたのだ。

 

5分もしないうちに彼らの車がやってきた。

 

男性は車に乗り込む前に僕たち三人に握手をしてきた。

 

手に温かみがあった。

 

大丈夫だ。

 

なんか前を行く男性が気になるなあと話しながら歩いていた僕たち。

月水さんが「こっちに歩いてくるよ」と言ったのは

もしかしたら、彼のスピリットが助けを求めていたのかもしれない。

 

ずれずれ巡礼団も

いつも

ずれずれ ではないのだ

 

時々

 

天使にもなるんです。

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